はやすぎた抜管
今日は久しぶりに、普段入らない婦人科(ギネ)の手術に入ったわけです。
ギネの患者さんは若い人が多く既往歴もほとんどないひとが多いので、外回りの気持ち的には楽なことが多いんです。
抜管をはやめにしてもその後しっかりと自発呼吸が出て、
問題なくすぐに退室できることが多い。
しかし、今日はそうじゃなかった。
まず最初に
麻酔導入の時にフェンタニルを投与して咳が出たんですよ。
それ自体はよくある光景なんですが、今日の患者さんは
今回は眠る直前数十秒ずっと咳き込んでいる。とまる気配がない。
何かおかしいなぁとおもいつつも、筋弛緩がききはじめて、とまったためそのまま挿管となった。
そして、手術は順調に終わったんです。
予定よりも早く終わったけれども、ブリディオンを投与してすぐに
意識がうっすらと戻り、自発呼吸が出たため麻酔科はすぐに抜管してしまったわけです。
呼びかけ応答(従命)はまだとれてませんでした。
最初はすこーし弱い呼吸ですが、息も吸えていて大丈夫かなぁと思っていたんです。
しかし、しばらくして様子が少しおかしい。
呼吸にならないような苦しい様子。苦悶様表情というか、力がうまく入らないような。
「呼吸がんばってくださーい」なんていっても、やはりうまく呼吸が吸えない。
そうこうしているうちに酸素飽和度がみるみる下がっていく。90%きるかというところで、
これはまずいと思い、急いでラリンジアルマスクと挿管チューブとりに廊下にダッシュしました。
数分し部屋に戻ると飽和度はさらに悪化し、70%まで下降。唇もチアノーゼが出ているんですよ。
患者は息をしようとしているのはわかるんですが、できてない。
これはともしや、息が吐き出せなくて苦しいのではと思い、
体位を横にして、すこしまるめました。呼吸は少し楽になり、吸えるようなりました。
その後「起きたい」というようなジェスチャーがあり、すぐに起座位にしました。
そして、「できるだけ、ゆっくり口笛をふくように吐き出してください」と話したところ、
うまく吸えるようになり、飽和度は回復したんです。
その後は順調に呼吸が整い、咳こみもなくなり退室となりました。
結局、原因はなんだったのかと退室後かるいブリーフィングをしたところ、
手術直前までタバコをやめれていなかったこと、
風邪のひきはじめのような症状があったことなど。
それらのことで、急速抜管したことで一時的に上気道閉塞になってうまく吐き出せなかったのでないかと。
外回りとしては再挿管まで考えるわけですが、
今回はたまたま体位がうまくいって事なきを得た。
ちゃんとしっかりと自発呼吸を出してから、抜管すればこんなことにならなかったのになぁと。
簡単な抜管はないなぁ。油断大敵ですね。