アトロピンが効かない
全身麻酔をかけるとしばしば、徐脈になることがみられます。
こういう場合はアトロピンをつかうことがあるんですが、
そのアトロピンを使っても反応がにぶく、さらに追加で使っても効かないということがあります。
さて、なにが原因だったか確認してみると、
テノーミンという薬を内服していました。
このお薬ですが、一般名が「アテノロール」でβブロッカーです。
βブロッカーといえば高血圧薬だったり、頻脈の抑える薬だったりするわけで、
先日にも掲載した眼科で散瞳ができない事象によく似ているのですが、
βブロッカーの作用のため、アトロピン「抗コリン作用」を打ち消してしまっているということです。
どのくらい使用すれば、打ち消し効果が消えるかは検証できませんでしたが、
βブロッカーなどを内服している際は注意が必要ということがわかりました。
最近では降圧薬の第一選択として外れているようなので、
あまりこういったことを見る機会は減るかもしれませんが…。