交通外傷で創外固定術後にアニソコリアが生じた場合の対応

2021年12月3日 0 Comments

交通事故で右足の複雑骨折をした患者さんが運ばれてきました。

手術は大腿骨、下腿骨が折れていたため両方とも創外固定を行いました。

入室時の状況はというと、意識はしっかりとしていました。清明なわけです。

術前CTでも頭部外傷の所見はありませんでした。

入室時の瞳孔径は2mm=2mmとのことでした。

そのほかバイタルサインも安定しており、血圧も120mmhg/80mmhg HR80であり、問題となりそうな所見はありませんでした。

ところが、手術後目パッチをとってみると、

右の瞳孔7mm 左2mmとなっているわけです。

対光反射はなんとか確認できました。

さて、何を疑うか?という話になるわけです。

外傷だったので、術前にはなかった脳出血やヘルニアを考えるわけです。

とりわけ、右が7mmなので右の脳に何かないかです。

麻酔科、整形外科医、看護師で話をして、麻酔後抜管をせず、急いでCTをオーダーしてもらって、撮像にしにいきました。

この時も血圧は安定しており、120mmhg前後でした。

抜管をしなかったのは、そのまま開頭術に移行できるための配慮でした。

結果、CT室では脳外科医がスタンバイしてくれていて、撮影すると

特に問題となる出血やヘルニアはありませんでした。

ではなぜ、瞳孔が開いたのかという話ですが…。

あとあと調べてみたら、はっきりとはわかりませんが

外傷性により瞳孔散瞳されるような筋肉に障害があったこと。

あるいは麻酔の薬剤性による影響ではないかとの結論でした。

原因はわからなかったのですが、術後の対応としては間違ってなかったと思います。

しいて良かった点をあげれば、主治科が救急科だったので、手術室にいない救急医に連絡を速やかにして、そこから脳外科医へすぐに連絡がいって、

診断がつけれたことかと思います。

こういうときの外回りの力が発揮できるのだと思います。

 

 

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