土日の夜勤対応の恐ろしさ

2021年5月10日 0 Comments

昨日は久しぶりに休日夜勤をしました。

休日夜勤といえば、定期手術がないので仕事場に行って、

手術が入ってなければ、「あぁ、今日は穏やかなスタートだなぁ」

「溜まった仕事何しようか」などなど考えたりする人もいます。

何もなければ、ただただ待機しているだけそれが良いと思う人もいると思います。

かくいう、私は休日夜勤はあまり好きじゃないんですよ。

経験は沢山あってもやはり好きになれない。

なぜなら、病院全体が休みモードで極端に人手が不足しており、

また地域全体もお休みなので、外傷などはうちに運ばれくるのがわかってしまうわけです。

最初は手術が入ってなくて、天国でもちょっと出血する手術なんか入ろうものなら、

平日ならアシストしてくれる助手さんもいなければ、掃除のおばさんたちもいない。

だから、輸血持ってきてーなんて行っても誰もいないわけです。だから自分でとりに行くか、

もう一人の看護師に頼るか。

一気に地獄に落ちてしまうんです。

昨日はまさにそんな夜勤になるところでした。

夜勤に入ると1つ簡単な手術をやっていて、それを日勤から引き継いで粛々と終えました。

掃除も終えて、さぁ食事休憩を取ろうかと思うと

外科医から「これから8階のマンションから転落した女性が来るから準備して」と。

準備をしたいのは山々なんですが、ここで色々と考えるわけです。

腹部外傷か頭部外傷か。あるいは胸部外傷か、骨盤骨折あるか。脊損はしていないか・・・。

内臓損傷なら塞栓術の適応があるかなど。

正直のこの一報だけで動くと極めて色々な部屋を散らかして右往左往する羽目になる。

複数科がある病院の方ならわかると思いますが、

各手術室にはある程度診療科別になっている事が多いと思います。

だから、患者が現着するまではどの状況にでもなるように器材の確認のみとして、

その間にちゃっちゃっと食事休憩を取ろうと。急いで食事をかき込むわけですよ。

そして、患者が現着したことをカルテで確認して、救急外来まで直接見に行きました。

緊急性はどのくらいで、何が必要になるのか、必要なラインはないかなどなど。

なんと8階のマンションから転落したのにしっかりと意識もあって、

血圧こそ70代と低めだが痛みで容易に150代まで上がったりする。

酸素飽和度も維持できている。

そしてファストチェックをするとなんと陰性と。

これで出血の可能性は低くなったわけです。開腹や塞栓術の可能性が下がる。

頭部の陥没はない。呼びかけにも応えれている。

開頭術の可能性があるが、しっかりと意識があるので

今のところ、画像をみないとわからないが大丈夫そうかなぁと。

骨盤を触ると異常に悶絶している。あと顔面が見た目にも複雑骨折している。

肘腫れがあり、包帯が巻かれているため開放しているかよくわからない。

あるとしたら骨盤骨折による創外固定の可能性が強まった。

ここで夜勤メンバーにその状況をコールし、準備にすることとした。

その後、CTを撮ったところなんと骨盤の離開もない事がわかり、

あとは肘の開放骨折の可能性だが、極めて小さい傷のため緊急性に乏しいという事で

夜の手術は見送られた。あとは顔面骨折ですが、

眼球の脱落などはなく、今すぐに失明とかの可能性も無くなったため、

これも緊急性に乏しく、見送られ結果手術はなく保存加療となった。

確かに手術は入らなく一見楽な夜勤に見えるのですが、

もし入ったらと先々のことを考えて構えるため、

気持ち的には結構疲労しますね。

ここまでで2時間くらいは情報元に準備やイメージしているので、まぁ休まってはいません。

そんな情報戦が夜中にもあり、これもまた空振り。

履歴だけ見たら、手術は1件で楽だったでしょーなんて言われますが、

見えないところで色々と精神的に疲労してるんですよ。

この疲労感はまぁほとんど理解されないんですけどねぇ。

にしても、8階から転落したのに致命傷がないのは奇跡でしたね。

 

 

 

 

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