局麻手術の外回りについて思うこと。

2021年4月9日 0 Comments

時代の流れで考え方が変わってしまったのか、
あるいは人材が育たないことにより、指導者層の意識が下がってしまったのか。

私が手術室に配属された18年前は眼科の局所麻酔手術の外回りに1年目の新人が入ることはなかった。
入ったとしても、全ての手術をローテーションで回ってからだった。
多くの先輩らもそのように考えていた。

その理由は全身麻酔などの手術は麻酔科医がいて、
急変に対応することができるからだ。
だから最悪、看護師が何が起こっているかわからなくても
麻酔科がなんとかしてくれるということだ。

仮に肝胆膵のような高難易度、高リスクの手術であったとしても、
眼科の外回りに比べれば、リスクは低いと考えている。

しかし、当院の中堅層指導者の考え方は、ローテーションであれば眼科の外回りも
ある程度動けるようになるとひとりで任せてしまう。
ひどい人になると部屋から出てモニターで観察するなんてことをする。

眼科の患者はもともと高齢患者が多いし、糖尿病性網膜症など内科的疾患を持っている人が多い。
ゆえに、常に急変のリスクが常につきまとう。
急変が起こったときに、1年目の新人がひとりで対応できないと考えている。
だから、業務がこなせるようになったとしても、
指導者はつねに部屋にいるべきだと私は考えている。

白内障の患者さんの多くは”良くなって当たり前”と思っているところがある。
それが急変などしたりして、初期対応がおくれて何かあったら、
訴訟ということにもなりかねない。

もし1年生にそのような事がおこれば…。
たち直ることはできないくらいのダメージになるのではないだろうか。

これを時代の流れとしてあきらめてはいけない気がする。

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