帝王切開のときの臍帯血はどこへ
緊急手術のため、帝王切開の器械出しに入りました。
これもTHE器械出しといえる手術であるのと、
短期集中で終えることができる手術のため、
わりと好きな器械出しのひとつです。
外回りは大変なので、あまり好きではないのですが…。
さて、その帝王切開術のとき、ベビーちゃんをとりあげたあと、
臍帯血からの採血、ガスをよくとりますが、それ以外に臍帯血バンクを貯血することがあります。
針をさしたら、あとはバッグに必要量の血液がたまるまで
その間、凝血しないようにバッグをふみふみしながら器械出しをやったりします。
これってなんなのかなぁと素朴に疑問を持っていましたが、
あまり深く考えず、調べることもしていなかったのですが、
改めて調べてみると、これは白血病の骨髄バンクに使われていることを知りました。
白血病になって、抗がん剤や放射線治療を行うと、正常な造血幹細胞も死滅してしまうため、
その移植に使うんだとか。
しかも大人の骨髄バンクなどと異なりHLAの完全一致でなくても良かったり、
ベビーちゃんの血液は可能性に満ちているのだなぁとあらためて感心しました。
手術ってのはとる手術が多くて、しかも悪いものだったりするわけで、
とる(切除する)。つくる(形成する)。とめる(ふさぐ)などがほとんどですが、
帝王切開の場合は、生まれるって動詞がつく手術は帝王切開だけかもしれませんね。
しかも、その臍帯血が他人の命の救うってことになるのは本当にすごいですね。
だから、この手術は心理的に好きな手術の1つなのかもしれないですね。