感音性難聴がある患者に対して助聴器を使うときに注意すること
手術をうける患者さんが高齢の人がおおくなり、
中には感音性難聴が強い人がいます。
そんなときに重宝されるのが、「聴吾」という集音器です。
医療的には助聴器とよばれることが多いです。
これは深夜通販で売っていたり、ショッピングモールでもわりと安価に入手することができます。
補聴器は20万~50万くらいする場合があるのに対して、
助聴器は2万円くらいですから、とても使い勝手が良いと思います。
私の働く手術室でも1個あり、難聴が強い人に使うことがあります。
実際につかってみて、やはり大きな声を張らなくてよかったりと、
良いことが非常に助けられることがあります。
しかし、実は取り扱いには注意が必要な一品で、
補聴器と集音器の併用は騒音性難聴を引き起こす可能性があるということです。
わたしも文献を読むまでは補聴器に助聴器をつかえばより聞こえると思っていました。
文献には実際に併用したことで難聴になってしまった、あるいは難聴を悪化させてしまう可能性があるとされていました。
ではどうすれば良いのか?ということですが、
補聴器がある場合は、まず補聴器ではなして伝わるか確認してみる。
補聴器をした状態で声を大きくしていってどの音量、音域で聞こえるか確認する。
補聴器が合ってない場合は助聴器を試してみる。
集音レベルは最小から中間くらいで設定して話してみる。
レベル最大で大きすぎない声で話してみて、だめならあきらめる。
併用は原則しない方法で、
実は補聴器や助聴器を使用せず、地声で大きく声かけした方が聞こえるケースもあるので試してみる。
手術室の場合は会話というよりは、説明の比重が高いですが、
一番伝わる方法を選択して、コミュニケーションとっていくことが最善かと思います。
補聴器、助聴器、大声で鼓膜損傷しないようにしたいものです。