救命士挿管を見て、思ったこと
当院では救命士挿管の研修施設であるため、
地元の救命士さんが挿管をすることがあります。
合計で30例実施すると、合格のようで30例が終わるまでは
手術室で数週間から数ヶ月すごすこともあります。
それ以外にも初期研修医の挿管もありますので、
とにかく研修としての挿管を見る機会が多いのです。
もちろんはじめの1例とかとなるとまわりは麻酔科上級医師1人にいるし、看護師も2人。
それ以外に外科医などもいることがありますから、
とにかく注視されて挿管しなければならず、
とても緊張していることが手に取るようにわかります。
研修医にしても、救命士にしてもやはり上手な人がいて、
雰囲気にのまれず冷静に対処できるひとは上手といえますが、
それ以外にも当たり前のことをやれる人が上達が早いと感じます。
挿管の場合は
枕も高さを調整する。
ベッドの高さを調整する。
その後「頚部後屈ー下顎挙上」をとる。
いわゆるスニッフィングポジションをしっかりととること。
つまり挿管前の準備がとても大切になります。
今日、一緒について救命士さんは残念ながらそれがおそそかになり、
挿管の時ばかりに気をとられているような気がしました。
そのため、食道挿管をしてしまうということになりました。
外回りの看護師としてはとても歯痒い思いをします。
若手の看護師もいますので、これ機会に食道挿管時の注意点を教えることができて
良いといえば良いのですが、患者さんからしたらたまったものではありませんね。
では振り返ってみて、スニッフィングポジションとは何か?
枕を高くすることで、前歯(口腔)と喉頭、気管の軸を1直線にするということですね。
気道までの道が直線的になるわけですから、気道も開通しやすそうです。
BVM(バックバルブマスク)も容易にできそうです。
ベテラン麻酔科医だと姿勢をものともせず、どんな状況でもできちゃったりしますから、
あまり気付かないことでもありますが。
外回りとしては、
うまく入らなかった場合、
枕はあるかな?
ベッドの高さは大丈夫かな?
円座を使った方がいいかな?
ブレードはちょうどよいかな?
マスクのサイズは大丈夫かな?
チューブはもっと良いものがあるかな??
などいろいろ考えておいて、
最適な環境を整えれるよう、提案できるといいですよね。