発作性上室性頻拍が出たらどうする?

2022年2月8日 0 Comments

眼科手術中の出来事でした。

40代男性で硝子体手術となった患者さんです。

特に大きな既往はなく、元気な人でした。

ところが、眼科の手術中に突然頻拍となりました。

HRは140代くらいとなりました。

幸いにも血圧は安定しており、120/80mmhgくらいでした。

本人もドキドキを自覚していました。

本人いわく、途中でマスクに加えて、ドレープが息が苦しいのを我慢していたら、突然ドキドキしてきたとのことです。

心電図の波形をみるとP波がよく見えません。あるようなないような。

これは洞性頻脈なのか発作性上室性頻拍なのか?

洞性頻脈ならば

解説などを読むと

発作性上室頻拍(PSVT)と異なり、心拍は徐々に上昇する。P波はQRS波の前に存在し、比較的認めやすい。

となっています。

であれば、今回はPSVTであろうと。なるわけです。

とりあえず、息苦しいといっているので換気できるように手術を中断して、

呼吸を整えてもらいました。

呼吸が楽になったことでHRは100代くらいまで落ち着きましたが、

不安定さは変わらず、140を行ったり来たりでした。

手術はできましたが、ほかに方法がなかったのか?ということです。

薬物療法であればATP(アデノシン三リン酸):トリノシンなど

がありますが、これは喘息がある人には使えないものなので、

頭がカーッとなるようです。

あまり使ったのを見たことがなく、古い麻酔科の先生がたまにいってきます。

それ以外だと

ベラパミル:ワソランはATPに比べ気を使わず使用できる利点がありますが、血圧が下がることがあるため90mmHg未満のときは使用できません。

薬物以外だと、バルサルバ手技や頸動脈マッサージや眼球圧迫法などがありますが、

状況的には眼科の手術中なので顔が真っ赤になるほどの息ごらえは眼圧があがりそうでよくないような気がします。

眼球圧迫は眼科の先生がいるのできるかもしれませんが、やはり圧迫することはどうなのか???

指をくちにつっこんで迷走神経反射を誘発する?というのも不潔になり現実的でないような気がします。

あとはIce water immersionというものがあるようですが、

冷たいものを握ってもらうなどでしょうか?冷たくしてびっくりするというものかと思います。

現実的に局麻、眼科手術に可能そうなのはワソランと氷を使う手法でしょうか。

頸動脈マッサージはいきなりやるのはとても怖い気がしますね。

 

 

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