粉瘤摘出術
手術室展開 |
手術操作 |
器械 |
器械出し |
外回り |
ワンポイント |
1. 消毒 |
顔面は0.02%グルコジンW水等顔面に使用可能な消毒薬で、それ以外はイソジンで顔面全体を消毒する。 →術野や患者のアレルギーに配慮した消毒薬を用いて消毒する |
消毒用鉗子 イソジン綿球 もしくは 0.02%グルコジンW水綿球 |
意識下のOP手術の場合、処置毎の声かけ、体位の調節をし、不必要な言動、物音は避け、安全安楽に手術を終えられるよう看護する 離被架とタオル等を使用し、患者に術野を見せないよう配慮する |
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2. ドレーピング |
創の大きさによってドレープの大きさを決める Drに確認後ドレープを出す 手術野に適したドレープを使用する |
ドレープ各種 全麻時はハーフシート必要 |
ドレーピングの介助をする 全身麻酔の場合は、手洗い+ガウン 局所麻酔の場合は、手袋のみ |
L字のセッティング |
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3. セッティング |
必要時、電メスコード、バイポーラコードS.Cチューブをセッティング |
電メスコード 形成用電メス先 バイポーラコード 形成バイポーラ 必要時布鉗子 |
無影灯ホルダーの設置 光量は、6割程度に調節 術野にきれいなガーゼが常にあるよう心がける |
降りてきたコード類をセットする。本体に接続する 電メスCUT・COAG・バイポーラは指示の数値設定 バイポーラ使用時、フットスイッチを執刀医の足元へ置く |
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4. マーキング |
ピオクタニンで皮切予定線、大きさをマーキング |
ピオクタニン シャーレ 爪楊枝 マーカーペン |
マーキング |
ピオクタニンは指示があったときのみ出す。 |
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5. 局所麻酔 |
1%(E)XYLで局注。 執刀医の指示の局所麻酔薬を準備する |
10mlシリンジ+27G針 1%(E)XYL |
1%(E)XYL局所麻酔薬使用量を外回り看護師や麻酔科Drや医師に報告する。 顔は5mlシリンジを使用 |
VSの変動、気分不快の有無の確認しつつ、必要時声かけやタッチング等の看護を行う。 局所麻酔中毒等に留意する。 |
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6.皮膚切開 |
スワンモートン№15を使用しメスで粉瘤周囲を紡錘形に切開する ネーベンはマッカンドー無鉤+ガーゼで血を拭いていく |
メス柄 刃№15 有鉤セッシ 剥離剪 スキンフック等 マッカンドー無鉤 |
セッシは切除部位によってマッカンドー・アドソン・細部摂子遊行を使い分ける。 皮切は大きい場合、二爪鉤(鋭)を使用 |
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7.粉瘤切除 止血 |
メスや剥離剪刀 スキンフック等 バイポーラ |
セッシは切除部位に合わせて使い分ける。 皮膚切開の大きさや深さに合わせたスキンフックや二爪鉤、筋鉤を渡す 必要時、ボスミン生食を浸したガーゼを使用する病院もある。 (5000倍ボスミン生食) 病理に提出する場合、検体名、浸潤液保存方法の有無を医師に確認し外回りに渡す。 |
検体を指示通りにする ホルマリン液に浸潤した場合:病理伝票に浸潤時間を記載する 検体瓶等に患者ラベルを貼付する際には、器械出しとラベルの患者名、検体名、保存方法に誤りがないかダブルチェックをし、検体を指示通りに保管する。 |
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8.閉創 |
真皮・表皮縫合 |
持針器 指示の糸 眼科用剪刀やクーパー等の剪刀 |
生食で濡らしたガーゼを術野近くに置く。 |
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9.ドレッシング材 |
軟膏塗布し、ガーゼ、テープで固定 執刀医から指示された軟膏やドレッシング材を貼付する |
眼周囲⇒タリビット眼軟膏 それ以外⇒バラマイシン軟膏 は創に合わガーゼせてカットし、関節や血流を阻害するおそれのある場所以外は圧迫固定(エラストポア) 軟膏を塗布する場合、軟膏を塗りやすい器械(例:メス刃をを外したメス柄のお尻側等)に軟膏を乗せ、手渡すと医師は塗布しやすい。 |
ドレッシング材や固定するテープを準備。 患者の皮膚状況やテープの強度に合わせ、皮膚保護用スプレーの使用も考慮するとよい。 |
器械だしワンポイント
・なぜ紡錘形に切開するのか?
→丸くくり抜いて切除した場合、縫い寄せる際に創部の両端の皮膚が余ってしまうため、
紡錘形に切除することで余剰な皮膚が残らず、皮膚が綺麗に縫合することが可能となる。
皮膚腫瘍切除や粉瘤摘出の際に行う切開方法である。
・なぜ閉創時に生食で濡らしたガーゼを術野近くに置いておくといいのか?
→持針器についた縫合糸を医師が拭うことがあるため、置いておくと親切な場合あり。
※医師によっては拭わない方もいます
・縫合中に「気が遣える器械出し」と思ってもらえるかもしれない小さな気遣い
→縫合糸をハサミで切り、医師が縫合針を持針器でかみ直している間に、
濡らしたガーゼで創部から滲んできた血液を拭ってあげよう!短時間でポンポンと拭うだけで大丈夫!
→施設によっては縫合糸をハサミで切ってあげる器械出しもいる。
→閉創が終了したら、医師に綺麗な生食で濡らしたガーゼ、乾いている綺麗なガーゼを渡そう。
・軟膏を塗布する時
→軟膏を塗りやすい器械(例:メス刃をを外したメス柄のお尻側等)に軟膏を乗せ、手渡すと医師は塗布しやすい