腹直筋鞘ブロックと腹横筋膜面ブロック
婦人科の開腹広汎子宮全摘出術があったのですが、
硬膜外に血腫があるとかで、硬膜外麻酔ができない患者さんがいました。
私の病院には神経ブロック好きの麻酔科医がいて、
すかさず、術後に腹直筋鞘ブロック(RSB)と腹横筋膜面ブロック(TAPB)をすることになりました。
これまでわりと外科の手術の時はこのTAPBのみのことが多くみてきたのですが、
今回はRSBも追加すると。
そこで改めて調べてみるとTAPBの主な適応は下腹部であることがわかりました。
RSBは上腹部の適応となっていましたので、
今回のように剣状突起から臍下までガバッと大きく開けた場合、
TAPBだけでは不十分と判断して、RSBも追加したのだと思いました。
腹直筋の下の層に針をすすめて、アナペイン(ロピバカイン)をまいてくるわけですが、
もちろん、極量の問題もありますので倍量に薄めて使用していました。
腹筋はよくシックスパックといわれるとおり、右左3個ずつ、
計6個ありますので、それぞれ腹筋にアナペインをまいていました。
そして、その後いつもどおりのTAPB。
エコーあてて、
しっかりと腹横筋膜面にもアナペインを使用しました。
いざ、覚醒してから患者さんに聞いてみると
麻酔直後ということもありますが、
お腹はまったく痛くないと・・・。
単純にブロックすごいなぁーー。思いました。
人によっては、持続フェンタなどになりますが、
これから、安全ですし、負担が少ないですよ。
硬膜外のように少ない量というわけにはいきませんが、
本当にすごいことです。