腹直筋鞘ブロックと腹横筋膜面ブロック

2021年8月27日 0 Comments

婦人科の開腹広汎子宮全摘出術があったのですが、

硬膜外に血腫があるとかで、硬膜外麻酔ができない患者さんがいました。

私の病院には神経ブロック好きの麻酔科医がいて、

すかさず、術後に腹直筋鞘ブロック(RSB)と腹横筋膜面ブロック(TAPB)をすることになりました。

これまでわりと外科の手術の時はこのTAPBのみのことが多くみてきたのですが、

今回はRSBも追加すると。

そこで改めて調べてみるとTAPBの主な適応は下腹部であることがわかりました。

RSBは上腹部の適応となっていましたので、

今回のように剣状突起から臍下までガバッと大きく開けた場合、

TAPBだけでは不十分と判断して、RSBも追加したのだと思いました。

腹直筋の下の層に針をすすめて、アナペイン(ロピバカイン)をまいてくるわけですが、

もちろん、極量の問題もありますので倍量に薄めて使用していました。

腹筋はよくシックスパックといわれるとおり、右左3個ずつ、

計6個ありますので、それぞれ腹筋にアナペインをまいていました。

そして、その後いつもどおりのTAPB。

エコーあてて、

しっかりと腹横筋膜面にもアナペインを使用しました。

いざ、覚醒してから患者さんに聞いてみると

麻酔直後ということもありますが、

お腹はまったく痛くないと・・・。

単純にブロックすごいなぁーー。思いました。

人によっては、持続フェンタなどになりますが、

これから、安全ですし、負担が少ないですよ。

硬膜外のように少ない量というわけにはいきませんが、

本当にすごいことです。

 

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