苦手意識の強いダブルルーメンチューブの挿管介助

2021年4月7日 0 Comments

主に肺外科や食道の手術のときに使用されるダブルルーメンチューブ。

通常の挿管よりも介助の難易度は高いとされている。

私はとりわけのこの介助は好きな方で、気管支ファイバーの所見もみていて楽しめるし、

介助を苦痛と思うことはないが、若い子らは苦手意識があるらしい。

当院では一般的に男性37Fr、女性35Frの左用チューブを使用する。

気管支ファイバーは4.2mmのもの使用し、モニターは電子スコープが第一選択である。

この電子スコープは1年くらい前に納入され、すこぶる解像度が良い。

以前はビデオファイバーだったのだが、劣化してくるとすぐに曇るし、光量は不足するしで

とにかくクリアな映像を描出することができず、介助も苦労した思い出が多い。

ところがこの電子スコープは先端に小型CCDカメラを搭載し、光量が十分で

とにかくくもりにくく、映像がクリア。

ゆえに介助する側の理解しやすく、ストレスが少ない。

指導する際にも膜様部や主気管支の映像解説しながら行えるのでとてもわかりやすい。

当院の麻酔科はチューブを浅めに留置(男性だと20cm前後、女性だと16cm前後)したあと、

青ルーメン(左先端のチューブ)から観察し、ファイバーの先端を左主気管支においてきて、そこで固定しガイドとすることが多い。

その場合、介助の看護師がチューブをすすめることとなることとなる。

これが新人には敷居が高い。普段からチューブをすすめる機会なんてないから、

ここではじめてチューブを押し進めることとなる。

どのくらいの力ですすめていいのかわからない。

傷つけたらどうしようとか。

だからただでさえ狭い気管を弱い力でおそるおそるすすめることになる。

挿入の向きさえ正しければ、普通にすすめれば勝手に左にいく。

だから指導する時には画面をみながらチューブが見えてくれるまで思い切って押し込みなさいと指導する。

カフも麻酔科に何cc入れないなさいと言われるがままでなく、

画面をみながら適性なカフまで膨らませなさいと話す。

折角、気管や気管支を観察できる、挿管するのだから、そういうところで学びを深めて欲しいと思う。

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