酢酸リンゲル?ボルベン??どっちが良かったの???

2022年1月11日 0 Comments

腸閉塞により循環血液量減少あるいは敗血性ショック状態にある患者さんがきました。

お腹はものすごくポンポンになっていて、見るからに外から見ても腸管浮腫があるとわかるような状態でした。

腸閉塞の手術をするために全身麻酔をかけるわけですが、

麻酔科としても血圧が容易に下がるであろうことは予想できているため、

ケタラール+ミダゾラムで急速導入となったわけです。

しかし、筋弛緩剤を使ったところから、血圧は急速に下がり始めて、導入から5分くらいで、収縮期血圧が30mmHgまでさがりました。

そればかりか、肺水腫があるのか挿管後の換気が得られない。

陽圧がかけても換気できないわけです。

具体的には40cmまでかけてようやく150mlくらい換気ができるくらいでした。

そういう状況もあって、胸腔内圧が高まり血圧はさらに低下することとなりました。

ついには脈拍が触れなくなったので、中堅麻酔科が蘇生コールしてくれたわけです。

さて、1人の外回は急速輸液が必要だろうと考えて、ラインの準備をするとともに、介助につきました。

私は今入っているラインで急速輸液をするために輸液バッグを握って、投与を開始しはじめ、次いでポンピングを行いました。

ボスミンも同時に準備を開始しました。

使用していたのは酢酸リンゲル液でした。

気になったのは酢酸リンゲルが一番良かったのか?ということです。

代用血漿輸液であるボルベンなどを使用をすれば確実に血管内のボリュームを満たすことができ、

血圧上昇が望めるのではないかと思うわけです。

注意すべきは「敗血性ショック」ということでした。

ボルベンの添付文書に「敗血性ショック時のは患者の状態を悪化させるリスクがあるため、有益性が上回る時のみに使用する」となっていました。

結論からいうと酢酸リンゲルの輸液が良かったということになるのだと思いました。

出血には「でんぷん」敗血症には「酢酸」という感覚でいいのでしょうか。

ただ、肺水腫もあったわけで、HES製剤が悪かったかどうかはさらに調べないとわからなさそうです。

 

 

 

 

 

 

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