重症心不全に対するIMPELLA
今日は先日につながりでひとつ触れていきたいと思います。
CABG後にたちあがりがよくなかった場合にECMOなど入れるというお話をしましたが、
それ以外の方法としてIMPELLAというカテーテル治療をすることがあります。
この治療は2017年に阪大で実施されたばかりで全国でもまだまだ実施施設は少ないかと思います。
当院でも今回が2例目くらいでした。
手術室としてはハイブリット手術室を使用して、
循環器内科がメインとなってカテーテル治療にあたります。
もともとやる予定ではなく、開心術後ということで、
手術室も移動しなければならず、とにかく人や場所の手配がとてもバタバタで、
夜間ということもあり、技師さん、工学士さん、循環器内科を急遽召集するに手間取りました。
ただ、人がそろいさえすれば、準備は左心カテーテルに順ずるため、特別なことは必要なく、
IMPELLAを使用するということのみでした。
実際の挿入イメージは以下のとおりです。
挿入手順は右の大腿動脈からアプローチでした。
これにより、補助循環ポンプとして機能するとのこと。
PCPS(経皮的心肺補助装置)では逆行性補助循環のためPCPSでは左心室に負荷がかかります。
左心不全がさらに悪化する場合には侵襲が高い、左心補助人工心臓が必要になります。
インペラは、左心室に留置されたカテーテルの先端からモータ駆動で血液を汲み上げ、
大動脈基部から順行性に送り出すことができるのに加えて、
先にふれたとおり、大腿からのアプローチでできるため、これまでの問題をクリアした
新しい治療となります。
今後も、少しずつこのIMPELLAが多く使われていくのかなぁと感じました。
ハイブリット手術室があることで、治療の幅がほんとうに広がったなぁと実感します。