電解質溶液を使用できるTUR手術

2021年5月20日 0 Comments

昔の話になるのですが、私が手術室に来たばかりの頃は

ウロのTUR手術(水もの手術)ではウロマチックという非電解質溶液を使用していました。

TUR手術では200wという高エネルギーの電圧で前立腺を焼き削ったり、

あるいは膀胱腫瘍を削ったりとしているため電解質溶液(要するに生食)だと

膀胱の中に電気がながれて危険と教えられました。

それが今から15年くらい前にユニバーサル電極(バイポーラ)を用いるようになり、

電解質溶液でも手術ができるようになりました。

電圧に変化はないのですが、シースや電極内で電気が回収できるため、

生食を使用できるというわけです。

これにより、ウロマチックを使用する必要がなくなり、

どこにでもある生食(うちでは2000ml)をつなげて行え便利になりました。

そのユニーバーサル電極でもデメリットがあって、

シース外筒のかんしの上下部分にケーブルを1本ずつつなぐんですが、

このケーブルを折り曲げて使用することが多いので、

とにかく断線しやすい。

以前の断線して使用できなくなって困ったことがありました。

本日もウロで困っているとスタッフから呼ばれて、部屋にかけつけると

電メスでエラー表示「電解質溶液につないで使用してください」となっている。

しかし、電解質溶液にはつながっているわけですよ。

何か誤認識しているようだと。

ケーブルを新しいものを使用しても同じエラー表示。

となると、問題はそれ以外となるので、

ループ電極のコネクト部分の問題か、あるいはループ電極自体に問題があるか。

あるは外筒自体に問題があるか、もしくは本体が壊れているか。

本体交換は面倒なので、電極交換からしてもらったところ、

すぐに使用できるようになりました。

結果から言うと、ループ電極の内側部分が折れていました。

TUR手術は引いて切るという作業のためコネクトがはずれやすかったり、

膀胱腫瘍のように膀胱内の腫瘍の場所によっては、

無理に力をかけて、引いて切るなどの作業のしなければならないため、

たとえ、新品の電極を出したとしても壊れる可能性はたぶんにあります。

ウロマチックを使用していたモノポーラの時は

それほどケーブルトラブルや電極トラブルなかったのですが、

バイポーラになって少し多くなったような気がしますね。

電極も華奢になってますから。

便利になる一方で、商品の知識はますます原理原則をしっていないと

対応ができいのだなぁと改めて思いました。

 

 

 

 

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