REdo AVR 器械出しの心構え

2021年6月18日 0 Comments

今日はとても長い手術になるだろうなぁ。

そんな思いでいました。午前中までは。

朝、手術室に着くと、すでに夜間緊急手術をやっていました。

その手術を夜勤者から引継ぎ、今日予定手術が入室したのが午前10時30分ごろ。

しかも予定手術がREdo AVRでした。2008年に一度AVRをしていて、その後

逆流症状が出たため、再置換術となります。

REdoはとにかく心臓周囲の癒着が強固なことが多く、

通常の心肺を回すまでにとても時間を要するため、今日はまぁ終わらないだろうとあきらめていました。

しかし、実際にふたをあけてみると、癒着は1時間ほどで剥がすことができて、

置換術も1時間20分程度で終了。

なんと、定時までに終了することができました。

とはいえ、REdoはとてもリスクを伴う手術で、とにかく癒着剥離時になにがおこるかわからない。

不足の出血もあるかもしれない。

心臓に傷がつくかもしれない。

重篤な不整脈が起こるかもしれない。

なんて考えならが器械出しをすうわけです。

ということで、手術と同時進行で右大腿動静脈に4Fr(赤)とか5Fr(グレー)とかのシースを入れておくのです。

そうすることで、なにかあった場合、最悪大腿動静脈からのPCPSを回すことができるからです。

この同時進行というのが心臓外科手術の特徴かと思います。

器械出しは1人なのに術者は2人となるわけです。執刀医はもちろん開心側なのですが、

血が出るとわかっている、シース挿入ですから、この時は大腿のほうに少し集中をしておかないといけません。

もちろん術野にも器械出す。

まぁ忙しいわけです。同時処理能力が必要なため、苦手な人も多いかもしれませんね。

どちらを優先すべきかを考えて、器械を出すことが必要です。

なので、開心側が癒着を電メスでゆっくり剥がしていたので、

大腿側のほうに意識を傾け、穿刺、ガイドワイヤー挿入、ダイレーション、シース挿入までは短時間で終わらせ器械出しをしました。

実はカニュレーションというよりは、IVHの挿入などに近い感覚なので、

この手技は実は、IVH介助を経験すれば、できちゃうんですよね。

普段、外回りなのでIVH介助をする機会があれば、積極的にやればいいと思います。

そうすれば、REdoの時やMICSの時もあせらず介助できますから。

器械だしの心構えは外回りのときでも持てるというお話でした。

 

 

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