水晶体核落下VITでの硝子体カッターの回転数調整

2021年7月15日 0 Comments

今日は認知症のおばあさんのP+I手術で術中動いてしまい、水晶体が落下してしまい、

その後、水晶体核の除去を目的にビトレクトミーになった手術のお話です。

1週間前に落下しすこし時間があいてました。

術前に他職種とブリーフィングを行いましたが、

核のサイズがまずますありそうなので、U/Sも用意してほしいと言われました。

ビトレクトミーの準備はカッターのみで良いと。

IOLはするのでレンズのいれるナイフ類も準備してよいと。

イメージとしては硝子体カッターだけでは核のサイズが大きくて、とりきれないと考えて、

なんとか核を前房までひきあげて、それができたらU/Sするというイメージでした。

もちあげる方法はなにがあるのかなぁと考えてみましたがせいぜい把持できるかんしを使うくらいしか思い浮かびませんでした。

実際の手術はというと、やはり認知症でうごいてしまい、なかなか従命がとれませんでした。

最初のポート留置では痛がりながらもなんとかできました。

硝子体内を観察してみると、核が浮腫んでいて、大きさはあったのですが、

カッターを近づけると、ズルズルズルというような感じで切除吸引できました。

硝子体の出血もめだったものはなく、残りかすをとろうと小さい片の核をとろうとすると、

なかなかうまくカットできず、また網膜まで落下するというような具合でした。

そこで、術者はカッターの回転数(通常回転10000回転)なのですが、

500回転までおとしてゆっくり、押し込んで切除吸引しました。

スピード感はないのですが、確実に吸引ができていました。

ただ、この回転数だと網膜近くでおこなうと網膜を吸いこんで剥離になってしまうので、

必ず硝子体の中央付近までかんし先をもどして行っていました。

最後の本当に小さなかけらはバックフラッシュニードルで吸って終了となりました。

途中からうごきがはげしくなって、最後の最後の強膜縫合のときにはすごい痛がりようだったので

強膜縫合は断念。結膜上からの留置だったので最悪これでも大丈夫とのことでした。

あとは結膜にむくみをつくって、閉鎖して終了です。

このカッターですが、最近では20000回転ってのもあります。

ちょっと前までは2500回転くらいで手術時間も結構長かったのですが、

10000回転がでてからは長引く手術は本当にすくなくなったように感じます。

それでも低回転数も使いようということですね。ゆっくり確実に切除し吸う。

はやければいいってわけでもないですね。

 

 

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