頭蓋内圧上昇に伴う嘔吐を繰り返している患者の挿管
今日は休日だったのですが、午後から脳外科の手術が入りました。
ここ1週間くらいはずっと脳外科に関わることが多いですね。
普段は入ることはないのですが・・・。
とはいえ、休日はどの手術にも対応しなければならないのですが。
脳皮質下の広範囲出血をしている方で、午前中までは普通に外出をしてようです。
脳出血の種類は以下のとおりです。
途中から右足の麻痺がおこり、倒れこんで救急搬送されたようです。
救急に来たときには嘔吐を繰り返していました。
脳出血を広範囲に起こしたことによって、脳室が伸展したりして、
延髄にある嘔吐中枢を刺激しているというようでした。
入室前からオエオエと吐いているわけです。
さて、挿管はどうしたものかということです。
先にNGを入れて減圧をしてから挿管をするべきか。
あるいはクラッシュ挿管をするか。
今回の場合、嘔吐の原因は脳出血による頭蓋内圧亢進でした。
嘔吐はなども繰り返されており、胃の内容物はすでにからっぽに近い状態ということでした。
なので、NGはそこまでの効果は得られないというのが1つの理由。
次にNGを入れることでより、刺激になり嘔吐をさせてしまうということです。
結果、急速導入で鎮静剤、特に麻薬は嘔吐反射を抑制できるとのことなので、
それを使用することで、嘔吐は抑えることができました。
併せて筋弛緩も使用しているので、さらに反射はおきなくなり、
無事に挿管をすることができました。
もちろんポイントは薬剤を投与するまではしっかりと輪状軟骨を圧迫するというこです。
でなければ、嘔吐してごえん性肺炎をおこしかねませんので。
順調にすすみ、手術はなんと血腫除去でしたが、1時間50分で終わりました。
脳外科の単科の病院では普通かもしれませんが、私の病院ではかなり早いです。