電動ノコギリで切った手首の再接着
今日は夜勤だったのですが、
夜勤に変わった瞬間、電動ノコギリで手首を切った患者さんが最接着の申し入れがきました。
話をきくと、お昼過ぎにプラスチックの板を切っていたところ、
操作を誤って、手首に振り下ろししまったというのです。
手首の尺骨側から尺骨にあたるまで切れており、いわゆる不全切断状態でした。
こんな感じのもので切ったしまったということです。
切れていたのは尺骨動脈、尺骨神経、FDS7本、正中神経が一部でした。
手根管の外にあるのが尺骨神経、動脈。それ以外に
示指〜小指は中節骨底に停止する浅指屈筋腱(FDS)と
末節骨底に停止する深指屈筋腱(FDP)
かなります。
これらを丸ノコでばっさり切ってしまったということです。
これらを津下ループ針で腱縫合していくわけです。
7本の腱をすべてループ針使うのですが、2本ずつかけたので合計14針使いました。
尺骨動脈と神経は9-0beerのマイクロ針を使って縫合しましたが・・・。
長い経験からしてみていると、神経にベアの針を使うのはよさそうでしたが、
動脈は結構な太さがあるので、9-0じゃなくて、7-0とか6-0でもよさそうな
印象でした。再接着の業界ではそれと決まっているだろうし、これまでやってきたからという
理由なんでしょうが、
脳血管ほど細くないし、心臓の血管よりも太いのでプローリンの方がいいように感じます。
これは心臓の手術をみているから感じることですね。
手の外科の先生に話してみたら、そんな糸があるんですねと。
針の大きさは?などいろいろ聞かれてました。
結局3時間ほどかかって手術は終了となりました。
手術室の看護師の中で「他の科にはこんな器械や糸を使ってますよー」なんていうと、
「余計なこというな、管理が大変になる」なんていわれることありますが、
私が考えるにそれぞれの科で最善に行われている手技や知識を共有できることが、
結果的に糸や器械のバリエーションを減らし管理が楽になると思っています。
この科ではこれ、あの科ではこれみたいなほうが管理が面倒です。
その材料や器械の知見の広さこそがオペ看の醍醐味かと思います。