悪性か良性かを教えると覚える解剖の範囲がわかる

2021年11月25日 0 Comments

手術室にいて、一番であうであろう癌の手術。

大腸がん、胃がん、肺がん、腎がん、前立腺がん、膀胱がん

きりがありません。

それだけ手術室にいると毎日がん患者さんの手術を行っています。

むしろがんじゃないほうが少ないと思います。

手術ばかりやっていると覚えるべき解剖の範囲が広すぎて道に迷ってしまうことが多々あります。

特に1年~3年目までは大変なんじゃないでしょうか?

だから、私が若い子たちに最初に教えているのは、

各の臓器の解剖よりも、がんかがんじゃないかみたいなことを教えます。

要するに悪性か良性かということです。

やはり悪性が多いので悪性の考え方から教えます。

手術では悪性のものとりきるためにはどうしたらいいか?とういことです。

看護師であれば、国家試験に出題されるであろうがんの転移についてです。

転移はなにがあるか聞くとほとんどの人が答えれます。

1.血行性転移

2.リンパ行性転移

3.浸潤

4.(播種)

ということです。

ではがんをとりきって再発させないためにどうしたらいいのか?どういう解剖を勉強したらいいのか?という話をします。

がん細胞に栄養を与えている血管を処理すること。

動脈と静脈を勉強すること

リンパ液を介して他の臓器に転移しないためには

リンパ節郭清が必要となること。

そして、がんそのものを完全にとりきるためには

近くにある臓器に及んでいないかということです。

胃がんを例にとってみたら、

胃のメジャーな動脈は5本あるけれども、それはなにか?

それに対をなす静脈は何本あるのか?

次でリンパ節転移しないためにはどの範囲のリンパ節までとればいいのか?

番号だけじゃなく、その名称を覚えることで術野の会話が理解できます。

ここまで勉強するだけでも結構時間がかかりますので、

周りの臓器には何があるのか?(浸潤している場合に限る)は別枠として勉強してくれば良いかなぁと思います。

何がいいたいかというと、

がんとよばれる手術のほとんどに

①血管の処理

②リンパ節郭清

が伴うということです。

良性の場合は

できものだけをとれば良いとうことです。

悪性がわかれば、良性はわりと簡単にイメージできると思います。

この手術は…。このがんは…。みたいに各論だけでなく、

全ての科において、どういう考え方で手術をしているか教えれば、

応用できることがありますから。

 

 

 

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