分離肺換気時の低酸素血症時に対する処置方法

2021年12月15日 0 Comments

肺がんの患者さんはやはりタバコを吸ってきた人が多いというのは間違えないことなのですが、

今日の肺がん患者さんは特にすごいヘビースモーカーでした。

1日60本を40年とかですので、ブリンクマン指数でも2400と桁違いだったのです。

そういう状況もあってから、入室してからすぐに気づいたこととして、

胸郭がビール樽のようになっているということでした。

肺気腫(COPD)となっているわけです。

みた瞬間からジブリのキャラクターみたいな体つきなわけです。

でもって、実際に胸腔鏡をやってみると見事なくらい真っ黒けな肺でした。

一番右側くらいな色なわけです。

それでも手術をしようと分離肺換気を行うわけですが、

開始からすぐに酸素飽和度が下がってくる。酸素濃度もほぼ純酸素の投与状態がつづいています。

ついには酸素飽和度が80%を下回ってきました。

さて、そこで麻酔科はそわそわしはじめるわけです。

両肺にするか、あるいは患側肺をジャクソンリースで補助換気するか。

麻酔科と相談して、患側肺に持続的に酸素を送り込むCPAPを選択したいと考えました。

しかし、いざやろうとしてみると、Yコネクターを取り除かなかったため、

換気がもれてしまいます。急いで再接続したのですが、

次にはチューブの位置がずれて換気が難しくなってしまいました。

すぐにブラインドではあったのですが、チューブを押し込んで、換気ができるようになりまた。

こういった、すったもんだがあって結局両肺換気が無難ということになり、圧をかけたことで酸素飽和度が安定して、ことなきをえました。

スムーズにするためにはどのような介助をすれば良かったのかということになりますが、

①Yコネクタごと外して、健側肺には人工呼吸器蛇管を接続する。

②患側のほうには延長蛇管をつけて、ジャクソン回路を接続する。

酸素吹き流しにして、一定の圧をかける。

が一番の方法だったかもしれません。

しかし、実際にやるとなるとコネクターサイズが一致するかなど、疑問が多く、

難しかったりします。なんでもないときに意図的にやってみないとできないなぁと改めて思いました。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です