硬膜外チューブをすすめると痛い
このブログでは硬膜外の麻酔の話題が多いなぁと思っているのですが、
やはりまた、気になることがあったので1つ。
特に大きな既往がない女性の手術でした。
年齢は40歳前半。
既往といえば、帝王切開を2回行っているということでした。
体格が小柄で140cm/40kgでした。
さて、この患者さんに硬膜外麻酔を入れた時のエピソードなのです。
硬膜外針(ツーイ針)をすすめていきました。
正中アプローチ
抵抗消失法です。
とてもスムーズに抵抗がなくなり、チュービングをしようとすると、
「いたいいたい!」と連呼するのです。
特に痛みに弱いという風の人でもありませんでした。
足先にビリビリするとか、わき腹が響くというわけでもなく、ただ背中の中が痛いというのです。
チューブも少しは進むのですが、ちょっとすすんだところで抵抗があり、すすまなくなる。
そこで、生食を10mlから15ml程注入してみるとやはり痛みがひろがるが神経症状のような感じではない。
そこで、1椎間さげて、入れなおし、また生食をゆっくり注入してみると
先ほどのような痛みはなくなりました。
チューブもゆっくりすすんでいきました。
考えられることとして、帝王切開で硬膜外チューブを2回いれたことがあり、
そのことにより硬膜外腔に癒着が生じたということでしょうか。
生食の注入により癒着が多少なり、剥離されチューブがすすんだということが考えられました。
オペ看としては体位固定しているときに、かなり痛がり説明が難しくなることろですが、
冷静に1椎間さげたこと、無理にチュービングしなかったので、
薬を入れるときは痛むのですが、じきに良くなるという説明ができたので良かったのではないかと思いました。