ICGを使って行うS10肺区域切除術
最近、よく見るようになったICGですが、いよいよ肺の手術でも使われる時が来たようです。
これまで、肺区域切除を行う時に切除ラインを決める時に使用していたのが、
主に換気による識別でした。
熟練した麻酔科医がいる場合は、麻酔科がブロンコファイバー(以下BF)で目的の肺区域まですすめて、ジェットベンチレーションを使用して膨らませていました。
それができない場合は、肺外科医が術野で細いチューブを気管支に入れて、膨らませたり、あるいはその逆で、気管支を切断する時に、目的となる区域以外を膨らませるという手段でした。
それが、血流による評価に変更することになりそうです。
それも、これもICG対応のビデオシステムが格段に良くなったからなのですが…。
この機器はラパロの肝臓手術をやるために購入したのですが、
今はいろいろな科で使用しようとしています。
肺の手術の場合、肺動脈を処理するあるいは遮断後にICGをすると、
その区域以外が光るという具合です。
いまはまだ腎臓などの領域では見ないのですが、
例えば、腎摘で副腎を温存という時にはその領域をしっかり識別できたりするのではないでしょうか。