再発した傍矢状静脈洞髄膜腫の器械出し

2021年9月8日 0 Comments

今日は7年前に他の病院で髄膜腫の手術をした患者さんが、

私の病院に紹介されて、再開頭となった手術についてです。

再発の髄膜腫で、画像では上矢状静脈同のすぐ傍ら頭頂葉領域に深さ5cmくらいの大きさで髄膜腫がありました。

さて、再開頭の器械出しをしばらくやっていなかったのですが、

何を使うのかあまり理解できていませんでした。

普通の開頭と何が違うのか???

開ける手順は違うにしても、前回の手術のプレートは残っているだろうから、

ドライバーはどのメーカーのものか・・・。

術者に聞いたみたところ、何が入っているかわからないと。

ドライバーがなければはさみとかで切るから大丈夫と。

とはいえ、器械出しとしてはねじとかプレートのかけらとか回収してカウントとかは

嫌なわけですよ。

なので、とりあえずサンエープレートのドライバーとニューロプレートのドライバーを2種すぐに

出せるようにしておきました。

実際に頭皮を開創してみると、昔のニューロプレートぽいバルホールカバーが見えました。

実際にドライバーをあわせてみるとちゃんと合って、すぐにとりのぞくことができました。

しかしながら、頭蓋骨が陥没していて、とのかくボコボコとしている。

普通にパーフォレーターを使うと思っていたのですが、

絶対に使わないと。

まぁ、そりゃぁそうだなぁと。

頭蓋骨と硬膜が癒着しているだろうし、なにより何が髄膜腫なので硬膜が欠損してるだろうし、

慎重に開けないとだめですよね。

ということでバルホールは5mmのスチールバーを使用していました。

奥の硬膜付近になるとコースダイヤの4mmにかけてバルホールをたてました。

その後硬膜を剥離して、骨切りは通常通り。

しかし、疾患が上矢状静脈同の近くのため、付近は一気にあけず、

2ピースに分けて、骨弁を取り除きました。

髄膜腫はがっつりとくっついていて、正常の脳と髄膜の境界がわからなくて、

とにかく、術者はためいきばかりつきながら手術をやっていました。

ベテランの脳外科医師なのですが、そこまでストレスを出して手術することは珍しいなぁと

思って、器械出しをしていました。

術前からはわかっていたことで、どうやら上矢状静脈が閉塞していると。

実際に手術終盤でICGをしてみると、やはり閉塞していました。

そこで若手の後輩が私に「閉塞していて症状とかなんにもないんですか?」と聞いてくるわけですよ。

私はそれはとてもいい質問だなぁと思いました。

手術室にいて器械のこととかではなく、身体症状に疑問をもつのはとてもよいことだと感じました。

腫瘍は頭頂葉ですから、体性感覚があるのは知っていました。

指を動かしたりするというのも聞いていました。

しかし、閉塞したときの症状は??すぐに思い浮かばす、実際に余裕があるときに

脳外科医に聞ききました。疑問に思ったことはその場で外科医に聞いた方が早い。

急性閉塞ではなく7年かけて閉塞したため、側副路ができていると。

入室したときもなんの症状もなく普通にスタスタ歩いているのをみました。

急性閉塞がおきると、激しい頭痛、吐き気、けいれんもあると。

人間のからはすごいなぁと改めて思いました。

さて手術に戻りますが、

この上矢状静脈同のすぐそばをはさみですこしずつ切り進みながら、

超音波メスも併用で無事に取り除くことができました。

閉塞はよくならないと思うとのことでした。

閉頭は欠損硬膜があるので、ゴアテックシートをあてて、

ゴアテックススーチャーで縫合。

いつもどおりデュラウェーブも使用して、

骨弁もかなりのプレートとスクリューで補填して閉創となりました。

よくよく話を聞くと、再発髄膜腫はその期間が短くなるということで、

今回7年かかったらなら、次は4年後にまた再発するとか。

4年後ならまた同じ器械出しをすることはありそうですね。

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