SVC合併右上葉切除術の器械出しとその準備

2021年9月9日 0 Comments

今日は手術はとても複雑な準備が必要な手術でした。

最初は普通に上葉をとるだけかなぁと思っていたのですが、

前日あたりから色々な人がざわつきはじめて、

これは大変じゃないかと・・・。

何が大変かというと、上縦隔リンパ節、特にNo4が転移のためとても大きく腫大している。

どのくらいかというSVCまで浸潤していて、

合併切除しないといけないかもしれないというんです。

そこで、SVCは完全に遮断するのか?ときくと最悪完全遮断するかもしれないから、

その準備をしてほしいというのです。

胸部外科的には心臓血管外科に話をとおしておけば大丈夫とふんでいたようで、

麻酔科やオペ看には事前に話しはしていなかったのです。

ところが、SVC完全遮断するとなると実は事前準備必要になることがわかりました。

まず、上半身の静脈をどこに逃がすかという話になった場合、

下半身に逃がす必要があります。

SVCについては下の図のとおりです。

SVCを大腿静脈へ流す

そのためにはバイパスが必要なのですが、

これを13Frとか14Frの送血管を入れて送ります。

今回入れたのは、SVC13Fr送血管(実際には脱血目的)

大腿には14Fr送血管(送血用)

あとCVも入れておきたいとのことで、大腿から60cmCV。

合計3本の管を入れておきました。

静脈→静脈(V-V)なので、ローラーポンプは必要とのことで、

ヘパリン化も必要と判断され、

そのため、硬膜外麻酔も前日に挿入の運びとなりました。

この段階で麻酔科に話しておかないといけない案件です。

オペ看はそれらの準備をしなければならないし、今回は3本のカニューレを入れるので、

器械出しも必要でした。

とにかくガイドワイヤーを間違わないようとか配慮が必要でした。

無事3本入り、CVは輸液や輸血のラインとして使用し、

送脱血はヘパリンロックして、側管から三活をつけてゆっくりヘパリンをながして閉塞しようように配慮しました。

首と足に管がささったまま、ぬけないようにしっかりとナートして、

側臥位をとるわけですが、

これって、心臓の手術より大変ではと思ったのは私だけはないと思います。

手術の実際はというと、

4リンパ節は腫大していたのですが、

SVCからはがせて、遮断の必要はなくました。

しかし、新たに問題が発生し、リンパ節が肺動脈にかたくべったりくっついていると。

これはひょっとして、PAをなんとかしないといけないのでは???

部分遮断で肺動脈をかめばなんとかなるかもしれないけど、

完全に遮断しないといけない事態になったら・・・。

PA送血液が必要になるのかなどなど。

そもそも肺動脈遮断したらどうなるんだっけ??とか。

肺動脈遮断では後負荷がかかり、

右心不全となります。

今回術前に2本管をいれていたので、これを利用して別の場所におくりだせば

負荷は軽減できるかもしませんでした。

しかし、それには体位の問題などがあるため、現実的ではない気がしました。

やはりそのまま肺動脈か大動脈に送血するかとなると。

大開胸してしか動脈を露出して、管をいれるしかないかなどなど。

そもそも血流がなくなった肺は壊死しないかとなど想定していなかったことに不安が噴出しました。

あとから調べたら肺の栄養血管は気管支動脈でした。

 

結局、リンパ節を分断するかたちで摘出して、手術はことなきをえて、

SVCも大腿のカニューレも使うことなく、手術を終えることはできました。

終了時には心臓血管外科ではなくて、麻酔科が両方の管を抜いてくれて、

ICUへと帰っていきました。

最悪のイメージをばかりできて、いろいろ考えながらの手術で

久しぶりのアドレナリン全開の手術にとても疲れた1日でした。

 

 

 

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